2005年12月08日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】メイレレス中銀総裁は六日、首都ブラジリアで行われたセミナーの開会式で講演し、政府内で高まる金融政策変更の声に対して、現行の金利政策の正当性を強く訴えた。
同日、ルーラ大統領はロウセフ官房長官、マンテガ社会経済開発銀行総裁、ガブリエリ・ペトロブラス総裁の金利政策批判を後押しする形で、経済政策に「調整」が必要なことに再び触れ始めた。メイレレス総裁は、金融政策が頑迷さや熱狂さに振り回される道具ではないと述べ、金融政策の実施に携わる中銀理事らを擁護した。
金利引き上げが経済活動にブレーキをかけたことも認めた同総裁は、「あいにく需要の増加を調整することなく、インフレを直接抑制することは可能ではなかった。(インフレ抑制に)魔法はない。インフレ抑制のためのコストをある時点で回避すれば、将来それは二倍になる」と述べ、インフレ抑制効果が出始めたこの時期に金融緩和に踏み切ってはならないことを強調、インフレ目標達成に固執する中銀との批判に反ばくした。
同総裁は、現在の金融政策を維持することが金融界の中銀への信用を高めると強く訴え、昨年五月から十二月にかけて過去十二カ月間の広範囲消費者物価指数(IPCA)が五・二%から七・六%へと上昇したため、当初の目標だった年四・五%を二〇〇六年まで先延ばしした経緯に触れた。金融界は今年一年間のIPCAを目標の五・一%を超える五・六%と予想している。〇六年に四・五%の目標を達成することで初めて、信用性の高い金融政策が実現するとの見解を示した。