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公社年金基金が莫大な損失=郵便局CPI=5年で7億レアル超=不正金融取引で裏金捻出か=証券取引仲介人にヴァ氏の名

2005年12月07日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】郵便局CPI(議会調査委員会)は五日、公社職員の年金基金が過去五年間に七億レアル以上を有価証券取引で失っていることを公表した。年金基金の銀行口座を開示したことで二〇〇〇年から二〇〇五年の間、特に〇三年と〇四年で損失が多く、〇五年は莫大な損失となった。議会工作のため支持票買収で奔走した時期と裏金への流用を照合しながら、CPIは調査を進めるという。疑惑のキッカケは、取引仲介人に広告業者ヴァレーリオ氏の名が浮上したこと。証券取引で利益が計上されると仲介人らが受取人となり、損失が出ると基金が粉飾していた。
 公社職員の年金を預かる年金基金には、連邦経済公庫職員のFuncef、伯銀職員のPrevi、セルプロ職員のSerpros、ヌクレブラス職員のNucleos、Cedae職員のPrece、中銀職員のCentrusなどがある。
 大穴が発見されたのは〇三年から〇四年、特に〇三年の八月から十月の間に激減し、七億レアル以上の大量出血があった。当時はルーラ政権の議会工作で、支持票買収資金が必要だったとき。CPIは裏金システムの存在が確認されてから、証券取引仲介人と年金基金の関わりに疑惑の目を光らせた。
 年金基金の取引に、ボヌス・バンヴァウやクアンチア、エウロ、プラネ、ラエタ、ノーヴォ・インヴェストなどの関与が浮上した。同基金がこれら仲介業者を通じて金融派生取引を行ったことが、銀行口座開示から判明した。
 これら仲介業者は先物市場でNTNやLFTなど国債のデリバティブ(派生)取引を行い、利益は着服し年金基金に納めることはなかった。損失を被ったときは、伯銀の損失として年金基金が粉飾した。
 この不正金融取引には、二大手銀行も関与していたが報告書に記載しなかった。取引は明白な不正行為であるが、影で糸を引いた大物がいるとCPIはみている。CPIは、さらにRDBやCDBにもメスを入れる。驚くべきことが発覚すると思われる。
 郵便局CPIは一方、労働者党(PT)が、アレンカール副大統領が関係するCoteminasの口座へ一〇〇万レアルを振り込んだことで、それはヴァレーリオ・ルート以外の裏金とみている。資金は五月十七日に現金で同社へ渡われ、銀行へ預金した。同資金を経理処理しなかったことで、副大統領はPTに抗議した。
 副大統領はCoteminasがガラス張り経営で、伝票を発行せずに買いも売りもなければ、裏帳簿もないと声明を発表した。連邦警察は直ちに、資金の出所を説明するため副大統領の子息に出頭を命じた。同社は現金を持参したのはPTの女子職員で、党は経理処理もしていないことを文書で認めた。
 同CPIは、デルービオPT元財務主任とヴァレーリオ氏が捻出した資金を一時借受金として副大統領の口座に納め、裏金として使用する予定だったとみている。