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急務は新品種の開発=異常気象で害虫や病気の被害増

2005年11月30日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】世界的な異常気象で、これまで制御されたと思われていた害虫と病原菌の異常発生が農業分野で憂慮されている。原因は地球温暖化とみられ、津波まで新たな経済問題として登場した。
 サンパウロ総合大学(USP)地政学科のウンベルト・R・ロッシャ教授によると、地球の平均気温は〇・七度上昇したという。特に最近二年間の気温上昇が、過去百年の間で最も顕著だったと述べた。
 根本的原因が不明の最近の異常気象は、長期にわたる干ばつやひんぱんに起きるハリケーンを特徴としている。エコシステムでは、ツンドラ地帯の植物が全滅の危機にある。針葉樹林は北方へ移動していると報告された。
 カンピナス近郊にある国立農事試験場牧畜課は、気象の変化に対応した新品種の開発が急務という。新種の開発は長時間を要するので近い将来、深刻な事態を招くとみている。
 宇宙局のデータを基にコーヒー栽培での害虫発生のシミュレーションを行うと、二〇二〇、五〇、八〇年にビッショ・ミネイロと根腐れ菌の異常発生が予測されている。原因は地球温暖化である。