2005年11月29日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】二〇〇五年度インフラ整備を含む公共事業の半分以上は計画段階で頓挫、年度締め切りが迫り政府はあわてて予算の交付を行った。しかし事業の実施は困難で、政府の無計画と無機能ぶりが二十六日に明らかになった。事業予算の未使用分は工事未払い分に充当し、〇五年度事業の残部実施は時間的に不可能と事実上放棄された。公共事業のうち入札や許可などの手続きを要するもの、提訴中のものは優先事業といえども、〇五年度事業から外された。土木建設労組は、予算を交付すれば良いというものではないと当局の無能ぶりを非難した。
〇五年度公共事業の半分以上が、予算交付の遅延と施工のための時間不足で不可能となった。インフラ整備などの公共事業は、予算交付から工事施工まで準備に数カ月を要すると、工事関係者は政府当局の無知に困惑している。国庫の扉を最後まで閉めた政府は、年度末にあわてて予算を放出し、帳尻合わせだけすると関係者が非難した。
〇五年度のインフラ整備予算は十一月十五日までに、四二・二一%しか交付されなかった。鉱動省は、支払い伝票発行額の二五・九五%しか決済できずにいる。緊縮財政しか頭にない当局は、計画的な予算交付と入札のための時間設定など無知に等しく、〇五年度公共事業はほとんど施工されないまま終わりそうだ。
予算の交付手続きは複雑だ。まず財務省が交付予告を出す。続いて各省庁が交付された予算の用途を決め、用途内容を財務省に提示する。それを財務省が検討した結果、了承されると資金が渡される。用途内容の報告書が、下請け企業にとって公共投資への決済保証となる。
予算の用途と決済は鉱動省の場合、下請け企業の債権決済で一一・三四%が決済見込み、一一・二六%が決済済みだ。運輸省への予算交付は鉱動省のそれよりは少しマシで、決済見込みが三六・二八%、決済済みが三四・六一%。しかし、穴だらけの国道や港湾の渋滞、鉄道の低い輸送能力は目を被うばかりである。
都市計画省の上下水道工事は、三四億レアルの工事を下請け企業と契約し、決済したのはわずか三億八七〇〇レアルだ。
予算編成のための消極的な陣容体制や無関心なインフラ整備の重要性を政府当事者に認識させるにはショック療法が必要だと関係者はいう。インフラ整備の遅れには予算責任法(LDO)の制約もあり、重要プロジェクトが保留にされた。
重要プロジェクトの中に、サントス港の海底掘り下げ工事やリオ港湾の後部拡張工事、ヴィトリア港の港湾改修工事、トゥクルイ港道路網の付帯工事などがある。これら保留された工事の予算は、東北伯の道路建設費に回された。
経済成長につながる重要プロジェクトの多くは環境規制にかかり、それに連なる付帯工事に支障を来たしている。その一つが、レジス・ビッテンコウト国道の車線増設工事で、環境省の許可待ちで何年も工事を中止している。