2005年11月25日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】ミナス・ジェライス州コンタジェン市の高裁は二十三日、同市の地裁の判事に対し、上級判事の判決命令を無視した罪で無期限の停職処分とした。
地裁判事は先週、同市の警察署に留置されていた刑確定犯五十二人に仮釈放を命じる判決を下した。このうちの最初の十六人は仮釈放が実行された。しかし二回目は州保安局が拒否して提訴した。これに対し控訴院の上級判事は仮釈放は不当として地裁判事の命令を取り消した。このため二回目の三十六人は拘留されたままとなった。
しかるに地裁判事はこれにこりずに二十二日、新たに七人に対し仮釈放を命じた。これに対し同市高裁は二十五人の判事で構成する審議会で協議した結果、裁判所決定無視の罪により、満場一致で停職処分を決めた。
一方で、ブラジリアの最高裁は二十三日、二〇〇三年三月にエスピリト・サント州で現職の判事が殺害された犯人として逮捕されていた元判事に保釈の判決を言い渡した。弁護側の主張が通ったものだが、元判事は報酬の見返りに犯罪人の罪を軽減するなどの悪事を暴いたため現職判事の殺害を命じたもので、検察は立件の証拠が揃っていることから、保釈に対し抗議している。
国会スキャンダルでも露見しているように、判事の法的見解が取り沙汰されているが、とくに保釈や仮釈放は判事による判断がまちまちで物議をかもしている。最近の例ではサンパウロ市内で発生した富豪夫婦殺人事件で、主犯の実の娘と実行犯の計三人が拘留期限が切れたことを理由に仮釈放されてフツーの生活を営んでおり、世間のひんしゅくを買っている。