2005年11月23日(水)
パラナ州アプカラナ市のウニフランゴ農工は三年前に十九人の養鶏家が始めたブロイラー処理場で、同州生産物の二〇%のシェアを占めている。同社は今後二〇〇〇万レアルを投じて廃鶏専門の処理場を建設する。養鶏業界は鳥インフルエンザの侵入を恐れて生体の遠距離輸送を懸念し、州内処理を促進している。同社もパラナ州内に十四カ所の処理場を建設し、万一のために州内処理に努めている。一方、東南アジア地域の鳥インフルエンザまん延のため、ブラジルは漁夫の利を得ている。人間が死亡することはないが、ブラジルにも鶏の風邪ニューカッスルなどがある。
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往年は破竹の勢いで伸びた大豆生産だったが、南伯地方の恒常的降雨不足で年々落ち込んでいる。米通商部(USDA)が十三日、〇五/〇六年度ブラジルの大豆粕輸出は一四五四万トン、世界大豆粕輸出の三〇・四%と発表した。九〇年代の大豆輸出は四〇%を占め、大豆粕だけなら四七%、大豆油は四四%であった。米国の大豆生産は〇五/〇六年度に八二八〇万トンで、ブラジルを圧倒している。九六年はカンジル法が発令され、州間の大豆輸送が激減、港湾付近に大豆加工工場を有していた企業は窮地に追い込まれた。しかし、輸送のために払っていた一二%の商品流通サービス税(ICMS)がクレジットとして与えられる恩典もあった。
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三十年間に及ぶ紆余曲折の結果、ようやく実現した日本向けマンゴーが初めて船積された。マンゴーはトミー・アトキンス種。出荷したペルナンブッコ州フランシスコ川流域のフルッテ・フォルテ社は、二三トンのパイロット輸出をする。〇六年二月までには六〇〇トンを船積する。ただ心配なのは丁度日本向けを船積する時、ブラジルの税関職員のストが行われる。日本向け輸出に成功するということは、中国を初めとする大アジア市場向け輸出に成功することでもある。最も衛生検疫が厳しい日本でパスすれば、アジア全域でフリーパスを貰ったようなものだと関係者は期待している。マンゴーは三十三日かけて横浜港へ到着。船旅中は日本政府の検疫官が積荷に同行する。