2005年11月18日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】大型連休の期間は緊張のゆるみや深酒が原因でのいざこざが多発し、事故や犯罪につながるのが常だが、十五日の休日をはさんでの連休でも例外なく犯罪が各所で発生した。
警察の連休犯罪白書は未発表だが、サンパウロ市内では三カ所で、ささいな口論からケンカに発展し、二人がピストルで撃たれて死亡、七人が重軽傷を負った。いずれも犯罪とは関係なく、先に行われた銃器販売禁止の国民投票で禁止賛成派の、護身用の目的とは違った銃器による犠牲者が多発するとした主張が図らずも現実となった。
第一の事件は十五日、サンパウロ市内M・ボイ・ミリン通りでワゴン車がパーリオ車に追突したことで始まった。軽い追突だったことからワゴン車はそのまま走行を続けたが、パーリオ車が追いかけ、激しい口論に発展した。ワゴン車の運転手は所持していたピストルでパーリオ車の運転手に四発撃ち込み即死させた。同乗していた恋人も三発被弾し、命に別状はなかったものの左眼を失明する重傷を負った。ワゴン車の運転手は現行犯で逮捕された。
第二の事件は十五日夜、同市イミリン区で催されたサンバとフォローのパーティーで、酔った男性が女性にチョッカイを出したためにリンチの制裁を受けた。逆上した男は父親とともにピストルを持って会場にとって返した。これを察知したリンチグループが応戦、撃ち合いとなった。結果、リンチグループの一人が死亡、三人が負傷。助っ人の父親も三発被弾し重傷を負った。
第三の事件は十五日夜、ビラ・ソニア区のフランシスコ・モラト通りのナイトクラブで、クラブのガードマンと客のグループが口論となり、客の一人が所持していたピストルでガードマン二人に発砲し、一人は四発、もう一人は二発それぞれ腕に被弾した。いずれの事件も銃器が不法所持かどうかは明らかにされていない。
いっぽう、行楽地の海岸地方では強盗が多発した。今年の犯罪の特徴は現地の非行青少年を主体とした集団犯罪グループの襲撃だった。この犯罪は昨年夏、リオの海岸で流行したもので、今年はサンパウロ州に飛び火、模倣犯罪となった。
カラグアタトゥーバの海岸では、四十人のグループが次々と観光客を襲い、暴行を加えた後、物品を強奪した。サンパウロ市在住の夫婦は路上で囲まれ、目撃者によると、奪える金品すべてを強奪されたという。出動した警官が一味を一網打尽にした。また別のグループはサンセバスチオン市で、十一人乗りのワゴンを襲撃、携帯電話や現金約一〇〇〇レアルを奪って逃走した。さらに投宿していた民宿も襲われ、多数が被害を受けた。