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効果抜群の密告電話181番=市民の信用取り戻した警察

2005年11月18日(金)

 【エスタード・デサンパウロ紙十二日】サンパウロ州内での犯罪に関する密告や情報提供の181番電話が実施開始後今年で満五年目を向かえたことでサンパウロ州保安局は、効果が抜群だったことを受け、さらに市民に呼びかけて協力を仰ぐとの方針を決めた。
 実施初年の二〇〇〇年はわずか九〇〇〇件の情報提供に終わったが、昨年は一一万人二九〇〇件、今年十月までは八万八九〇〇件と増加している。それまでは警察に通報しても動かないという固定観念があったが、ここ五年間の警察の体質改善で市民の信用を取り戻してきたと警察当局は自負している。
 当局によると、181電話により過去五年間で一万七二五九人を現行犯で逮捕、六十六カ所の誘拐監禁場所を急襲し、人質を開放した。また、二四〇四人の脱獄囚を拘束した。今年十月までに一万八二〇〇件の犯罪の解決を見た。これまでにとくに成果があったのは二〇〇三年に州都第一コマンド(PCC)の犯罪組織がサンパウロ市内の警察署を次々と襲撃したことと、昨年サン・マテウス市での誘拐事で一味を大量検挙したことで、いずれも通報が決め手となった。
 通報はサンパウロ市内が大部分を占めており、犯罪内容も広がっている、今年に入ってからは銃器の不法所持(三七三八件)、電車泥棒(一二五四件)、ガソリンスタンドでの不純物混合販売(一七三件)貨物強盗(一四一件)となっている。
 当局では州内であれば181番は無料であることから、サンパウロ市以外の市にも呼びかけていくとしている。通報者は名乗らなくても良いし、秘密は厳守される。また暗証番号が与えられ、十五日後に結果や状況を電話で問い合わせることが可能となっている。