「フジモリさんっていうかフジモリですよ」との言葉を聞いて、複雑なものを感じた。
六日、フジモリ元ペルー大統領がチリで拘束されたことを受け、現地の日系二世の知人に電話取材した際のことだ。
三年前、ペルーを訪れた際、日系人協会の幹部たちに取材したが、フジモリ氏を日系社会の仲間と認めておらず、大半が批判を込めて評した。
一九四〇年にリマ市で起こった大暴動で地元日系人社会は略奪を受けている。以降、目立たないようにすることが処世術として受け継がれてきた、と聞いた。
先日行われた百周年祭典協会の会議。「来年の選挙で日系州議員を擁立しよう」との声に賛意の拍手が起きた。
ペルー日系社会が百周年を迎えた九九年はフジモリ氏が大統領。両国日系社会の意と反する現実に皮肉なものを感じた。 (剛)
05/11/11