サンパウロ市西部の日本語学校そばに、先日紫色のカミニョネッテが停めてあり、警察官が状況を注意深く見守っていた。近隣住民によると、車内で死体が発見されたのだという。自動車は盗難車とみられ、この日の明け方に放置されたらしい。
第一発見者は「不審だと思って警察に通報したのよ。まさか、殺しなんて。遺体は紐で縛ってあってねえ。誘拐された後に殺害されたと思う」と推測していた。
暴力が社会にはびこっているといっても、人間の死は非日常的なことだろう。死体が運び出される時には、多くの人が現場を取り囲んだ。
褐色の両足がわずかに見えただけだった。が、みな想像を膨らませ、麻薬に絡む抗争、誘拐、果てはゲイによる犯行説が飛び出した。事件から約一週間。噂は一人歩きしている。真相は未だ闇の中にあるらしい。(古)
05/11/10