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元右腕失脚の可能性認める=ルーラ大統領=世論の圧力免れない=「裏帳簿作成は過ちだった」=海外資産問われ返答に窮す

2005年11月9日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】ルーラ大統領は七日、TVクルトゥーラの番組ロダ・ヴィーヴァの収録で、ジルセウ前官房長官の議員権がはく奪される可能性を認める発言を行った。大統領は、前官房長官が不正行為を犯したとする告発と裏金の存在を証明する決定的証拠がないものの、世論の圧力による犠牲は避けられないとの認識を示した。労働者党(PT)の過ちは、党の資金調達を第三者に委託し、裏帳簿を作成したことにあると認めた。大統領はフランスで三カ月前、PTはブラジルの慣習を踏襲したに過ぎないと裏帳簿を暗に正当化していた。
 同番組は、高い視聴率とインターネットで千五百件に及ぶ大きな反響があった。記者団から子息の分不相応な取引とドゥーダ氏に支払った党所有の海外資産を質され、二回返答に窮する場面もあった。
 前官房長官の議員権はく奪の可能性を認めたことで、マスコミの中には大統領が容認と報じたものもある。各種政治団体の圧力が下院に及び、大統領は無視できなくなったようだ。
 以下は同番組における大統領の収録要旨である。
 【模範】ジェフェルソン下議が議員権をはく奪されたのは、告発したことが証明できなかったからである。
 【裏金】レベロ下議とワウフリッド下議が調査したが、その存在は確認できなかった。ジルセウ下議は管轄外にいたから、裏金とは無関係である。
 【CPI(議会調査委員会)】CPIが三つ設置されているが、イタリアの前例に倣いブラジルからも悪が追放されることを願う。
 【インピーチメント】自由前線党(PFL)で何か動きがあるらしいが、根も葉もない笑い話に過ぎない。
 【裏切り】八二年の党創立当時は、アンダーシャッツを売って資金を調達した。選挙運動で自動車にガソリンを入れる金にも事欠いた。それなのに一部党員が、伝統を破ったのだ。
 【政治資金】容易に入手できる金は、ロクなことがない。政治資金は合法的に調達できるのだから、なぜ他人に委託したのか。
 【野党】PFL党首はPT政権の再選阻止へ向け、PT党員という人種を抹殺すべきという。なぜPT再選が恐怖か分からない。
 【民主主義】報道の自由や議会政治の自由、学生による主張の自由がある国で行う政治をいう。だから中途半端なことはできない。
 【ブラジル銀行】同行の公金流用告発は審理が行われ、事実が公表される。PTの不正資金や不正行為は、全て審理の洗礼を受け綱紀粛正が行われる。
 【ジェフェルソン前下議】同下議は連立与党の政治家であった。ただ母親にベイラマール・フェルナンジーニョを持ったのが不幸だった。同下議に白紙委任状を渡したのは失敗であった。
 【告発】全てが無責任な告発とはいわないが、クソもミソもいっしょにしたのは事実。疑わしきを罰することがあるので、政治は至難の業と言わざるを得ない。そのためにCPIがあり、CPIの調査結果を検察庁へ回し、さらに連邦警察で吟味し最後に最高裁へ行く。だから曖昧な告発は迷惑をかけるだけ。