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大耳小耳

2005年11月9日(水)

 二時間以内、四回までなら二レアルで乗り継ぎもできるカード「ビリェテ・ウニコ」があるおかげで、サンパウロ市内のバスをよく利用する。本数が少ない線を待つよりは方向が同じバスに乗って乗り継いだほうが早い。ところで英語ではバス、スペイン語ではブスなのにポルトガル語ではオニブス。どうして「オニ」と余計なものが付いているのかと思っていたが、語源は「すべて」を意味するラテン語「omnibus」。「誰でも乗れる自動車」として使われるようになったそうだ。余計なものが付いたのではなく、より語源に近かった。
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 援協巡回診療班が十二日から、ブラジリア方面を回る。例年首都近郊のタグアチンガを核に、数カ所で診察する。今年は、警察関連のセミナーと日程が重なった。全国から関係者が集まってくるため、市内のホテルは予約で埋まっているという。地区委員の奔走で、ようやく宿泊先を確保できた。ただ値段は倍になった。十人ほどのチームで行くので、経費はかさむ見通し。そう言えば、バスが出発に向けて整備が行われている。老朽化がひどく、支出がさらに膨らむ恐れも。
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 電話で在日外国人の悩み相談を受け付けるNPO団体「浜松いのちの電話」が今月から、すでに行なっているポルトガル語、英語での相談に加え、フィリピンの公用語であるタガログ語の相談受け付けを始めた。昨年末現在で日本に暮らすフィリピン人は二十万人に上る。多くは女性だというが、中には父祖の地にデカセギに来た日系人もいるのだろう。日系フィリピン人を描いた映画を見たばかりのせいか、ふとそんなことが気になった。