女は度胸、男は愛嬌。八〇年代に人気アイドルがそう歌って一世を風靡した日本。当時からすでに、男/女の何かが逆転し始めていた。
「マチズモ」の国ブラジルでも最近は、男性に「女性」らしさが求められているようだ。
先日エスタード紙の、女性読者アンケート〈理想の男〉特集を読んだ。それによると、圧倒的支持を集めた条件は感受性や情緒。金や権力を挙げる人は極少数だった。
五〇年代はシャトーブリアン、六〇年代はジュセリーノ……ブラジルの〈理想の男〉も時代と共に変遷してきた。現代では、女性的な感性を備えた男が旬だと分かる。
先週末、床屋でうたた寝して目覚めたら、私の野性の象徴だった長髪が床に。「短い方がいいわヨ」。女性理容師の好みらしい。いまや男の価値は女性が決めるのだ。ああ、そうですかと寂しい笑顔で同調した。(大)
05/11/8