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各地で銃撃戦を展開=ショッピングやファベーラで=警察、面目かけて悪人退治?

2005年11月2日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】サンパウロ市西部レボウサス通りに面したショッピング・エルドラードで三十一日午後七時ごろ、麻薬組織一味と警官隊が銃撃戦を展開した。これにより二人が逮捕され、うち一人は被弾し負傷した。
 いっぽうで南部グラジャウ区のファベーラで日本からの出稼ぎ帰りの邦人家族五人を殺害した主犯と見られる男と警官隊が撃ち合いとなり、男は射殺された。先の銃器販売禁止の国民投票ではからずも警察の治安への不信感が露出したことで、警官らは面目をかけて悪人退治に行動を起こしたことが伺える。
 ショッピング・エルドラードの三階の食品広場で麻薬捜査課の捜査員は州都第一コマンド(PCC)の組織員二人を追跡、包囲して逮捕しようとしたところ、二人とそのガードマンら十人が抵抗し発砲した。警官らも応戦したため銃撃戦となり、広場はパニックに陥った。
 ちょうど夕食時で広場には大勢の人で立て込んでいた。撃ち合いが始まったことに驚いて逃げる人らで広場は混乱、皿は飛び散り椅子やテーブルがひっくり返った。人々は停まったエスカレーターに殺到、子供や高齢者が逃げ遅れて泣き叫びながら右往左往していた。
 結局二人は逮捕されたが一人は臀部に被弾し病院に運ばれた。ガードマンらは逃亡した。ショッピング側はイメージダウンを恐れて銃撃戦を否定、単なる逮捕劇による混乱だと語っているが、商店主らは一様にシャッターを降ろしたり店を閉めたりして恐怖の模様を証言している。
 いっぽうで、リオデジャネイロ市北部で同日、病院で診察を受ける患者十三人を乗せた市役所のワゴン車が積荷強盗に使われた後、乗り捨てられていた。さらに同市のファベーラのロシーニャで一日未明、麻薬組織団の抗争で射ち合いがあり、四人が射殺された。
 住民の話によると、二十九日に警官との銃撃戦で射殺された組織のドンだった通称ベン・テ・ヴィの後継者争いで、ベン・テ・ヴィの右腕で後釜とされた通称ソウルが敵対組織に殺害されたという。しかし死体が未発見で確認されていない。住民によるとこの種の抗争での射殺死体の発見は難しいとのこと。