健康広場
2005年11月2日(水)
金融法違反で九月に逮捕されたパウロ・マルフ元サンパウロ市長が十月二十一日、四十日ぶりに釈放された。主治医は神経衰弱などで、同氏の健康状態が思わしくないと発表。テレビでシリオ・レバネス病院が映し出されていた。
レバノン系二世のマルフ元市長。アインシュタインやオズワルド・クルースでなく、シリオ・レバネスというのは〃血〃のなせることなのだろうか。拘禁中にはアラブの伝統料理、キビの差し入れが殺到し、差し入れ禁止措置もとられていた。
先日オザスコ第一拘置所を訪問し日本人収監者を取材したら、やはり日本食を恋しがっていた。
囚人に限らず、外国で暮らすブラジル人に何を届けたら喜ぶのだろう。通俗的に考えればフェイジョン豆が一番だが、グラヴィオーラという選択肢も加えられるかも……。
アイスクリームやジュースが、庶民の間で人気の果実だ。原産はブラジルを含めた熱帯アメリカ。果肉は天然アルカロイドを含み、気分を爽快にし、頭痛にも効くという。
葉と樹皮に(1)血圧低下(2)血管拡張(3)けいれん抑制(4)筋肉リラックス作用があることが、複数の研究者により立証されている。抗がん力の有無について、米国などで研究が進められているところだ。
ペルーのアンデス地方では樹皮、根、葉を糖尿病、ギヤナでは葉や樹皮からつくった茶を鎮静剤や強心剤、ブラジルアマゾンでは葉からつくった茶を肝臓疾患、ジャマイカやハイチなどでは果肉を熱さましや虫下しと、さまざまな民間療法が伝えられてきた。
メキシコの科学者がこのほど、意外な薬効を突き止めた。種にデング熱を予防する力が存在。ヴェラクルース大生物学部の研究者は「伝統的な薬品に比べて薬効が大きい上に、環境へのダメージも少ない」と口をそろえているという。
種に殺虫効果があることは、既に証明されている事実だ。同大の調査により、種に含まれる成分にデング媒介する蚊の成長を食い止める働きがあることが分かった。ヴェロニカ・ドミンゲス氏は、さなぎから成虫に脱皮するのを抑止すると力説している。
世界保健機関(WHO)によると、百カ国以上で全人口の四割に当たる人々が感染の危険にさらされている。年間の罹患者数は延べ五千万人。うち五十万人が入院し、二万人が命を落としているという。
研究成果が実用化されれば、デング熱のコントロールの世界的な戦略に一役買うことはまちがいないはずだ。あれ、虫にとって毒であるなら、人間にも有害なのでは?
文献によると、果肉以外の部分は人間にとって潜在的に有毒にもなりうり、嘔吐を起こさせる恐れもあるという。やはり外国に住むブラジル人に贈り物をするなら、フェイジョン豆が無難かも。