文協美術館で開催中のペルー日系人絵画展『幸福への道』で、セミヌードのインディオの女性の絵が目にとまった。描いたのは八年前に病気で右半身の動きを失った、喜舎場セイユウさん(二世、68)。
「『生き方の質』はどんな状態からでもよくできる」。支えてくれていた妻を失い、三年間は家に閉じこもっていたが、リハビリのために始めた絵画を通してそう気が付いた喜舎場さんは、最初描いていた花から、人をモデルにするようになった。「人間のほうが難しいけれど人間を描くのが好き」。
それほどまでの強い意志を支えるものは何なのだろう…。
「女性のヌードがいいんだよ」とにやり。やはり何事も興味からだと納得したのだった。(郁)
05/11/2