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県連=3度目の正直ならず=日本祭り会計=また承認見送り

2005年11月1日(火)

 フェスティバル会計みたび承認ならず――。県連の十月代表者会議が二十八日、栃木県人会で開かれた。七月の県連日本祭り収支報告、来年の県連創立四十周年などの議題を話し合ったほか、執行部から会員資格や選挙権、会長任期に関する定款改正案が提示された。注目された日本祭り収支報告は、前回に続き監査委員から意見が出され、承認を見送り。会議は四時間におよび、出席者からは事前の調整不足を指摘する声も上がった。
 会議では事務局の月例報告の後、会計監査委員の大西博巳広島県人会長が発言。関係者の苦労があったからこそ百万レアルに上る同イベントが好結果に終わったとの考えを示した上で、会計上の疑問点、問題点を指摘した。
 大西会長は、契約や支払い、支払いの減額などに関する書類、資料の不備やボランティアの経費など詳細にわたって収支報告上の疑問点に言及。また、契約に際して弁護士が果たした役割などについて問いただした。
 さらに、県連事務局で監査を行なった際に契約担当者が不明であったり、契約の細部があいまいな点など、会計上の責任の所在が不明確だと指摘。弁護士の問題に加え、会計理事による説明と、より詳細な収支報告書の提出を要望し、承認は実質的に見送られた。
 収支報告の承認見送りはこれで三度目。出席した県人会代表者からも意見が続出し、会議は当初の議題に入らないまま二時間近くが過ぎる異例の展開となった。
 大西委員の指摘に対し中沢会長が回答。初めての会場、巨額の予算など、準備の上で臨機応変な対応が求められた状況を説明。契約の問題についても、開催直前は各種団体、政府関係との調整に忙しく、ボランティアの協力が不可欠だったと述べた。さらに、副知事や市長などの称賛を得た同イベントの功績を強調。「監査委員の指摘には改善が必要な部分もあるが、どうしようもない部分はある。もっと相対的、全体的に見てほしい」と述べた。
 田畑稔フェスティバル実行委員長からは、監査報告を代表者会に提出する前に、執行部と事前に話し合う時間を持ってほしいという要望が出された。「できるだけの説明をしたい。必ず納得してもらえると思う。真心を持って良心的に解決したい」と田畑委員長は語り、協力を求めた。
 他の出席者からも意見が続出。執行部と監査役の事前の話し合いを求める声や、はやく承認してそのエネルギーを来年の日本祭り準備にそそぐべき、とする意見。また、今年の収支報告の承認を待つだけでなく、同時に来年の実行委員会の組織や企画に入ったほうがいいとする意見もあった。
 最終的には、スポンサー企業へのあいさつなど来年の準備を進めていくことで合意。このほか中沢会長から、来年度の日本祭りの開催期間を二週間にする案、食スタンドの設計を早めに決めてはどうかとする案などが提示された。
 県連では今後、執行部と会計、監査委員などによる会合を開いていく考えだ。
 会議ではこのほかに、来月五日に全国議長会南米訪問団が来伯する件、グアタパラ、リベイロン・プレットなどを訪問するふるさと巡り実施の件、在外選挙登録の推進などが報告された。
来年40周年=式典実施へ
 県連が来年創立四十周年を迎えるにあたり、中沢会長から、記念式典を七月の日本祭り開催にあわせて実施する案が出された。
 会長は、県連や日系社会の力を見せる機会であること、日本からを含み来賓や一般の参加者が見込めることなど提案の理由を説明。
 これに対して出席者からは、「式典は別に開催する方がいい」「式典のため(県連内部に)委員会を作る必要がある」などの意見が出され、継続審議となった。
定款改正案=会長3選も
 またこの日の会議では、執行部から、県連の定款改正についての執行部案が提示された。
 執行部案は、県連の法人会員をブラジル都道府県人会のみとする(現在は、県連と同趣旨の団体、名誉会員なども法人会員)のほか、選挙の際の投票権や立候補資格の改正など。また、現在の定款で二期四年と定められている県連会長の任期について、県人会長の職にある限り立候補や再選の権利をさまたげないとしている。
 この日は執行部案の提示のみ。各県人会が同案を持ち帰り検討することになった。