2005年10月29日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】市内での犯罪や暴力が全国民の頭痛の種と思いきや、これを社会問題の第一と指摘するのは所得別の中流層で、富裕層や下流層では別の観点を持っていることが、調査で明らかになった。
ジェトゥーリオ・ヴァルガス財団(FGV)が生活水準指数と称して昨年に引続き調査したもので、ブラジル地理統計院(IBGE)の家計調査を基に割り出したもの。調査は各州都およびブラジリア二十六市を対象に、公共サービス、住居、公害、治安など十二項目に分けて分析した。
それによると、治安の徹底を要求したのは所得分類でB、C、Dクラスに属する中流層に過ぎず、富裕層のAクラス(月収七四〇〇レアル以上)は、住居地区の環境および経済活性化で、下層階級のEクラスは住宅施設を挙げた。
都市別で治安が問題だとしたのはベレン市がトップで以下ベロ・オリゾンテ、ポルト・アレグレ、レシフェ、フォルタレーザ、ナタルと続き、サンパウロは八番、リオは十九番となった。最も少なかったのはブラジリアだった。
十二項目の総合点で住みやすい順位はブラジリアがトップで、以下ヴィトーリア、クリチーバ、ベロ・オリゾンテ、パルマス、ゴイアニア、フロリアノポリス、ポルト・アレグレ、カンポ・グランデと続き、リオとサンパウロはそれぞれ十位、十一位と続いた。
国の行政のワーストランキングでは次の五点が挙げられた。一、路面の排水処理設備。二、住宅街での犯罪や無法行為。三、街灯、照明設備。四、街頭での騒音。五、公害および交通や工場による環境破壊。
サンパウロ州での不満はAクラスが公害と環境、BからDクラスは一様に治安、Eクラスは上下水道の完備だった。