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コラム 樹海

 在日米軍の再編をめぐる交渉がほぼ固まった。焦点である米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先は、同県名護市辺野古埼にあるキャンプ・シュワブの陸上と海を埋め立て滑走路建設することで合意した。日米の話し合いは難航し、一時は決裂寸前にまでいったが、最後は米側が譲歩し何とか物別れを避けたのは喜ばしい。だが、沖縄の反発は激しく、これをどう説得するかの新しい課題が生まれたことも忘れまい▼この日米合意に反対する県民は多く、建設工事が始まっても抗議は続くかもしれないし、先行きの不透明感は否めない。恐らく、米軍基地の問題で沖縄県民と政府との「合意」は難しい。稲嶺恵一知事も不満を表明し、地元の市民らも憤激しているけれども、意見の完全なる一致は困難な状況にあるので―ここは政治的な解決をするしか道はあるまい▼ただ、米軍再編によって沖縄が得るものも多い。海兵隊が4000人から5000人規模で削減されることが本決まりになっているし、那覇軍港の全面返還もある。このほかにも基地の一部返還など沖縄の基地負担はかなり軽減されることにも目を向けたい。勿論、軍事基地はないほうがいいに決まっている。しかし、現実の軍事情勢は北朝鮮の核開発もあり緊迫しているし、防衛が大切なのにも心を配りたい▼先の大戦での悲惨さと米軍基地化による痛み―と沖縄の人々の苦しさはよくわかる。従って、日米合意を受け入れてもらうためにはかなりの努力がいるし、地道な話し会いを根気よく続け理解を取り付けるしかあるまい。   (遯)

05/10/29