上院、資産暫定令案を承認＝北部各州に免税地区拡大へ

2005年10月28日（金）

　【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】上院は二十六日、本会議で資産暫定令（ＭＰｄｏＢｅｍ）第二案、第二五五号を承認した。同案は二十七日にも下院で表決され、百二十日以内に発令される見通し。
　第一案の資産暫定令二五二号は、国や州に六〇億レアルの減収になると連邦国税庁が報告、司法判断の結果生じた年金生活者への負債に対する政府の支払い延期を同庁が要求したため、政府が廃案を決定していた。
　第一案を廃案に追い込む結果となった点に議論が集中したのとは違い、サルネイ上議（ブラジル民主運動党＝ＰＭＤＢ）が提案した第二案は、マナウス免税地区と同様の免税地区をアマパー、ロライマ、ロンドーニア、アマゾナスの各州に設置することに議論の焦点が集まった。実際にはこうした地区はすでに一種の自由貿易地区となっているが、今回の承認により、同地区の原料を使った生産活動すべてに対しては工業製品税（ＩＰＩ）が免税となる。
　暫定令第二五五号の主な内容は、一、輸出製品の製造に使用される機械・施設の購入に対する社会統合基金（ＰＩＳ）と社会保険融資納付金（Ｃｏｆｉｎｓ）の免除。二、所得税と純益に対する社会納付金（ＣＳＬＬ）の計算基準となる純益から技術調査・開発費の控除額を二倍に増額。三、六カ月以内に別の居住用不動産を購入するために販売する居住用不動産の価格上昇分に対する所得税の免税。四、簡易納税システムの対象となる企業の売上上限額を〇六年一月以降二倍に引き上げ（零細企業は二十四万、小企業は二四〇〇万レアル）、など。