2005年10月28日(金)
ブラジル日本文化協会評議員会(大原毅会長)は臨時評議員会を二十九日に開くにあたり、会員に対し「評議員会の役割」「文協と移民百周年事業」「定款改正」の三テーマについて意見、提案を呼びかけている。
評議員会は〇二年の民法改正に伴い、理事会選出の役割がなくなるなど、その権限が縮小。顧問会や高等審議会などの創設により、評議員会そのものの存在意義に対して再考を求める声が強かった。
話題を呼んだ今年四月の文協会長選挙後の六月、再度民法が改正され、現行の会員直接選挙制もしくは、以前の形である評議員会による役員選挙を選択できる形となった。
定款改正に関しての権限も以前通り、評議員会に委ねられた。それらを踏まえ、八月に選挙後初の臨時評議員会が開催され、今回の議題についての審議が行われたが結論が出ず、今回に持ち越した形となった。
次回の会長選は二〇〇七年(評議員会選挙も同年)で、翌年の百周年時の文協会長、つまり百周年協会理事長をも選出する重要な選挙といえる。
二年先の選挙方法を今回決議することで、評議員会の発言力を強めたい考えもあると見られる。
ある一世評議員会員はいう。
「評議員会は文協の体質を内側から変えることができる唯一の組織。民法やブラジルのやり方に振りまわされるのではなく、もっと主体性を持った組織にしていくべきなのでは」
二十九日の評議員会で決議された内容は臨時総会で承認される必要があるが、定款第二〇条により会長、評議員会長、または監査役会が召集できるため、近日の開催が予想される。
文協内には、三十余の小委員会があるのにも関わらず、現在プロジェクトを打ち出しているのは、ブラジル移民史料館が協会に提出した「国内百年探検隊」のみ。しかし、予算が三百万レアルと高額なだけに現実には〃夢の計画〃になる可能性が強い。
この状況を受けてか、百周年事業に文協独自の事業を提案することも議題に盛り込まれており、この面でも文協にイニシアチブを取らせたい評議員会の姿勢が読み取れる。
百周年協会は十二月末まで記念プロジェクトの提案を受け付けており、それまでに各小委員会に何らかの提案を促すことも考えられそうだ。
なお、現在の財務状況の報告を伝田英二財務委員長が行うほか、ルアネ―法不認可により、企業からの資金援助が難航すると見られている大講堂改修基金設立の討議も行われる(定款第Ⅲ章第13条)。