ホーム | コラム | 樹海 | コラム 樹海

コラム 樹海

 最近、「百周年はいま一体どうなっているのか」について心配し、問い合わせてくる人が増えてきた。いまのところ祭典協会からは記者会見などの連絡はいっさい入っておらず、我々もわからない▼二年八カ月後にひかえた本番に向け、どのように日系社会を盛り上げ、どうブラジル社会や日本側を巻き込んでいくのか。例えば、年の前半には日系若者向けイベント、後半はブラジル社会一般向けに日本文化や日本移民史への関心を呼ぶイベントや上流階級向け、その間に一世向けの催しなどと、次々といろいろな階層を掘り起こすような積極的な演出があってもいい頃だと思う▼その所々に、資金集めに特化したビンゴ大会やら、学術的なものや専門的なものがはさみ込まれてもいいだろう。それらの相乗効果で、徐々に期待感と関心が醸成されていく。そんなカレンダーを順繰りにこなしていった先に、絶頂となるべき〇八年があるのだろう▼そんな雰囲気の高まりがあればこそ、大きな記念事業に対して理解も広がるし、お金も集まる。せっかくの機会なのだから、さらなる百年にむけて日系社会はどのように変化し、日伯関係はどのように緊密化していくかという将来ビジョンが語られるべきだと思う。文化、交易、人的交流など様々なレベルでの議論がある▼そのビジョンを現実化するための具体的な戦略が、個々の記念事業やイベントを通して具現化されるのが本来の姿であり、日本側もそれを期待しているに違いない。その辺、まったく五里霧中のように見えるのは気のせいか・・・。(深)

05/10/28