2005年10月26日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十五日】口蹄疫の発生でブラジル産牛肉の輸入禁止措置が相次いでいる中、新たにインドネシアとスイスが輸入禁止を宣言した。これにより禁止国は四十三カ国となった。インドネシアは発生地域にもかかわらず全面的に禁止するとともに、口蹄疫とは関係のない大豆およびその製品、農業機械、医療機器も禁止した。
同国から禁止の通知があった二十一日、WTO(世界貿易機関)衛生管理委員会でブラジル代表は国際ルールに従って防疫が進行しているとして、発生地域以外の牛肉は心配ないと主張、輸入禁止の緩和に向けて説得を試みていた矢先だけに農務省ではショックを隠せないでいる。
インドネシアは昨年アマゾナス州で口蹄疫が発見された時もロシアと強調してブラジル全域からの牛肉の輸入禁止に踏み切った経緯がある。ロドリゲス農相はこれに対し、「神経過敏」だとして不快感をあらわにしながらも説得に努めるとの姿勢を示した。またほかの産品については事実無根だとした上で、WTO条約に違反しており提訴の方向性も示した。
インドネシアはブラジル産大豆の四番目の輸入大国で年間一億ドル相当の五〇万トンを買付け、オランダ、フランス、ドイツに次いでいる。昨年の口蹄疫発生の際も同様の措置を取った。
スイスはEU二十五カ国と同様、サンパウロ州とパラナ州を含む牛肉の輸入禁止とともに、同国の定めた豚や鶏の生き物を含む加工品の輸入を禁じた。この中にはブラジルに存在しないラクダやカバも含まれた。
WTOの会議でブラジル代表団は、国際ルールに乗っ取って防疫に万全をきたしており、マット・グロッソ・ド・スル州以外の地域へのまん延は完全に食い止め、サンパウロ州とパラナ州産牛肉は感染の心配がないとして、二州の牛肉輸入禁止の解除を求めた。これに対しEU諸国の反応は冷ややかで、これまで幾度となくブラジルに対し防疫、検疫の不備を指摘してきたにもかかわらず、ブラジル政府はこれを無視したと反論している。このため解禁については結論に至らなかった。
サンパウロ州当局はパラナ州で口蹄疫の疑いが出たことで、同州で購入された八百頭の追跡調査を始めた。これまでに六〇%が検査されたが異常がなかった。引き続きイタラレー市とイタペチニンガ市の三牧場を封鎖して検査を進める。