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中型スポーツ用多目的車=トヨタ、南米市場に投入=アルゼンチン工場で生産

2005年10月25日(火)

 トヨタ・メルコスール(岡部裕之社長)は中型のスポーツ用多目的車(SUV)「ニューハイラックスSW4」の生産・販売を発表した。サンパウロ州アチバイア市のリゾートホテル「BOURBON」でブラジル国内約百十のメディアを招待した発表会が二十日開かれ、翌日には試乗会が催された。岡部社長はあいさつのなかで「今まで輸入にたよっていたSUVを南米で生産可能にしたのはトヨタの誇り」とし、「二〇一〇年までに中南米シェア十%を目指す」と宣言した。
 トヨタ・メルコスールは今年三月、アルゼンチン工場に二億米ドルを投資。生産体制を約三倍に強化し、グローバル戦略車(IMV)の量産を開始。第一弾として新型ハイラックス(ピックアップ)を中南米市場にすでに送り出している。
 岡部社長は「九七年から、ブラジル、アルゼンチン両国に九億三千万ドルを投資しており、年間十万台の生産を達成。従業員は四千九百人を数える」とメルコスール・トヨタの実績を報告し、「新型ハイラックスの開発は大きな革命だった」と自信を見せた。
 今回、発表されたのは多目的スポーツ車として開発された新型ハイラックスSW4。AT、マニュアル、内装に皮を使用したものを含め、四タイプがあり、色は七種類。価格は十四万八百レアルから十四万九千レアルに設定されている。
 トヨタ・メルコスールのルイス・アンドラーデ副社長は「市街地での利用も考えたSUV。社会的ステイタスにもなる」と話し、中型SUVでありながら、高級志向を持ったユーザーをも満足させる仕上がりを強調した。
 トヨタ・メルコスールはアルゼンチン工場で年間六万五千台の生産を目標に挙げているが、SW4の生産はブラジルへの輸出を対象に約一万台を予定、年内には二千二百台を生産する。 国内百十六のディーラー店で二十二日から販売されることも明らかにされ、二十一日から放映されるTVコマーシャルも初公開。報道関係者からは技術的な質問が多く寄せられた。
 勝田富雄トヨタ・メルコスール副社長(生産担当)は「六〇%の車体部品を現地で生産しており、二百二十の部品は新開発された」と話し、アルゼンチン工場の着実な生産体制をアピールした。