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保坂三蔵経産副大臣ら来伯=「日伯両国は親戚も同様」=フルラン大臣とも会談=FTA・EPA交渉などについても進めていく考え

2005年10月22日(土)

 「日伯関係の繋がりを大切にしたい。今回の来伯が一本の杭になれば」。経済関係強化を目的に保坂三蔵・経済産業副大臣を始めとする経済産業省関係者ら五人が十七日に来伯、首都ブラジリアでフルラン開発商工大臣ら政府要人と会談をし、貿易強化を重点項目として話し合いが進められた。また、日系企業を訪問、意見交換も行われた。パラグアイ首都アスンシオンでは政府要人と二十九日に迫ったニカノル・ドゥアルテ大統領の訪日にむけて今後の内容を確認した。
 保坂副大臣の来伯は今回が五度目。「ブラジルには苦労をされた移民の方々がいる。日本にはデカセギ子弟が今や約三十万人。日伯は他の国よりも親密だ。単なるフレンドシップではなく親戚のようなものです」。十七日午前中にはサンパウロ市イビラプエラ公園にある開拓先没者慰霊碑に献花した。
 「お会いできたこと自体が来伯の成果」というフルラン大臣との会談では、貿易強化を重点項目として話し合った。以前から課題だったエタノールの対日輸出については、長期的なヴィジョンで検討することになった。
 日本では現在アルコール燃料車が期待され、トヨタ自動車も研究を進めている。コザン社のエタノール工場へも見学に行き「日本はまだあまりエタノールを使ってないが、将来的には普及させていく」との意見を述べた。
 現在、ブラジルが輸出している大豆の二〇%は、日本が投資して開発したセラード地域で生産されたものだ。「その状況をみてフルラン大臣は、日本のおかげだと感謝していた」と喜びを示し、「香港で開かれるWTO(世界貿易機関)会議の後、日本に来てくれると思う」と手応えを感じていた。
 「残念ながら、日本への輸出額はあまり増加していない。ブラジルから持ってくる資源はたくさんあるはず」。今後はFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)に関する交渉も進めていく考えだ。
 また、メルコスル(南米共同市場)に関して「ラテンアメリカの結束を肌で感じた。これからもっと強力になりますよ」と期待感を示した。
 移民百周年に向けては「ブラジルが発展した影には移民の苦労が底辺にある。百周年は単に時が来たから迎えるのではなく、両国政府、国民が真剣に考えていかなければばらない」と話し、「この百周年を顕彰し、これからの百年に向けて新しい日伯関係を築く」と力強く抱負を語った。
 一行は二十二日サンパウロを出発、二十三日に日本へ帰国する。