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幸福ランキングでブラジル9位

健康広場

2005年10月19日(水)

 幸福ランキングでブラジルは九位──。
 イギリスの研究所が二〇〇四年十二月から〇五年にかけて、世界三十国で生活に対する満足度調査を実施。十三歳以上の三万人にインタビューをした。
 ブラジルでは二九%が「非常に幸せ」、五三%が「満足している」と答えた。「失望している」は一四%、「非常に不幸」は二%に留まった。
 ランキングのトップはオーストラリアで米国、エジプト、インド、英国、カナダと続いた。
 幸福の要素について、ブラジルはほかの国と同様、「健康」(七五%)を挙げた。調査関係者は「経済的な安定も望むが、多くの人々はモノの所有よりも健康であることに関心がある」と分析した。
 逆に下位三カ国はハンガリー、ロシア、トルコで「低所得」と「失業」が大きな理由だった。
 一人当たりの国内総生産をみると、ブラジルは四一二三ドルで七〇位。ハンガリー(一〇九七七ドル、四二位)、ロシア(五三四〇ドル、六〇位)、トルコ(四七四四ドル、六三位)より下回っている。
 単純比較をするのは危険だが、なぜ幸福の意識に相違が表れるのだろうか──。「笑うことこそ、すべての問題に対する最もよい特効薬である」。そんな格言が、ブラジルにあるらしい。楽観主義こそ、幸福ランキングを押し上げている正体なのではないか。
 困難な時は「アテ・アマニャー(明日は明日の風が吹く)」と自己を励まし、ピアーダを飛ばして逆境を乗り切っているのかもしれない。
 先の「子供の日」(十月十二日)を前に「オス・ドウトレス・ダ・アレグリア」を始め、入院中の子供に笑いを届けるボランティアグループがテレビに取り上げられていた。「オス・ドウトレス・ダ・アレグリア」は、ドキュメンタリー映画が公開されている。
 病床にあって娯楽もない恵まれない子を励ますのが大きな目的だ。笑いの健康学は様々なところで研究・調査がなされており、免疫力を高めることが注目されている。それまで働いていなかった細胞を活性化させるためだ。
 寄席を鑑賞した入院患者を対象にした調査(日本)で、がんに対する抵抗力の指標であるNK活性(ナチュラルキラー細胞の活性度)が上昇。NK活性の低かった人が、笑った後で正常範囲にアップしたという報告がなされている。
 脳血管障害などが起きると、患部付近の脳細胞は死んでしまい再生しないため、手術後には半身のまひや言語障害が起きる。笑いで血流量が増加。酸素や酵素を細胞に運ぶことができるため、リハビリに取り入れる病院もある。
 このほか(1)便秘や痔にも効く(2)排便が楽になる(3)ストレス解消になりよく眠れる──といった効果が認められる。
 男女の関係でもユーモアは重要な要素。カナダで実施された調査(十七歳~二十五歳、百二十九人)では、男性はユーモアを魅力の武器として考え、女性は男性のユーモアを知性・創造性のサインと捉えているようだ。
 笑う角には福来るという教訓は、科学的にみて間違っていないのだろう。

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