ホーム | コラム | 樹海 | コラム 樹海

コラム 樹海

 自衛隊のC130二機がパキスタンに向け飛び立った。機内には救援用に使うヘリを分解した部品や電源車などを搭載しており被災した人たちの支援に活用されるし、自衛隊員300人にも派遣命令があって今日か明日にも現地に出発する。自衛隊が外国の災害救済に出動するのは、スマトラ沖地震に次いで2回目になるが、論争らしきものもなくスムーズに事が進んだことを喜びたい▼それにしても、パキスタン北部の地震の被害は大きい。これまでの死者は2万5千人を突破しているし、最終的には5万人の犠牲者に達するの見方も出ている。昨年起きたスマトラ沖地震は、津波が島々や観光地を直撃したこともあり死者30万人を超す歴史的な大惨事となったのは記憶に新しい。1990年に起きたイラクのマンジル地震では3万5千人が死に追いやられているが、パキスタンはこれを上回る可能性が高いのである▼関東大震災を体験し市民ら14万人が無残な死を迎えた。日本は95年に兵庫南部地震で大きな被害を受けた。崩れるはずのないビルが倒れたり高速道路が崩壊と信じ難い事実が次から次に起こり神戸市長田区は火の炎と化し住民らは家を失い路頭に迷う悲惨さを味わったりもした。パキスタンの罹災者も、同じような状況にあり水も食べる物もない。家屋は倒壊し瓦礫の下で呼吸するだけの辛苦に襲われても懸命に生きている▼被災地の一部では略奪が続発してもいる。こんな市民らの騒乱劇も放映されているし食料や寝具などの世界からの救援は時間との闘いである。(遯)

 05/10/15