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熊本放送から取材に=100周年特別番組を企画

2005年10月11日(火)

 「移民の存在をもっと知らせたい」。移民百周年記念番組を制作するため、熊本放送の報道制作局から村上雅通専門局次長が八日に来伯した。十八日の帰国までの間、プロミッソン、ロンドリーナ、サントスなどを訪れ、多くの人に話を聞く予定だという。十五日には笠戸丸移民の唯一の生き残りである中川トミさん(同県出身)の九十九歳の誕生日会も取材する。
 番組は全部で三本制作する予定。一本は上塚周平についてまとめる。今年、同氏の出身地である熊本県城南町(当時は下益城郡)で発足した「イッペーの会」の米原尋子会長も村上氏と来伯。共に調査を進める。
 「とても興味深い話を聞いた」と言うのは、円売りが横行していた頃、その円を買って今でも大切に保管し、凱旋帰国する日を夢見ている人が、まだアサイ植民地にいるらしい、という話だ。それについても一本の番組にする予定だという。
 もう一本は移民の光と陰について。「移民といえば暗い、とか苦労とかだけのイメージを持って欲しくない。なぜ、移民がたくましく生きているのかも知りたい」。
 これらの番組は二、三年後には放映する予定。「できればサンパウロでも放映したいから、ポルトガル語にも訳して放送することも考えている」と話す。
 「一九九三年まで日伯間で移民協定が結ばれていたんですね」と驚く村上さん。「熊本は沖縄に次いで移民の多い県。百周年は一つのきっかけ。県とブラジルで新たな繋がりが生まれてくれればいいと思う」と話し、「これらの計画はまだまだ準備段階。たくさんの人に話を聞いて準備を進めていきたい」と抱負を述べた。