2005年10月6日(木)
日本の最高裁判断により在外邦人の選挙区投票への道が開けたことを受けて、サンパウロ総領事館が在外選挙人登録増加に向けた新たな取組みを始めようとしている。有権者の多く集まる日系団体の催しに出張して選挙人登録を受け付けるもので、その第一歩として、十六日に行なわれる宮城県人会敬老会の会場で出張登録を実施する。総領事館ではこれをテストケースとして、結果次第では今後、サンパウロ市、近郊を中心に実施していく考えだ。
聖総領事館ではこれまでにも、サンパウロ市、州内の各地で実施する領事出張サービスとあわせて在外選挙人登録を受け付けてきた。
同館管内の選挙登録者数は現在、約一万二千人。選挙区投票実現の可能性が出てきたことで有権者の選挙への関心も高まり、登録、投票数ともに伸びていくことが期待されている。
在外選挙運動を進めてきた県連でも、選挙登録促進の呼びかけを開始。その方法として各県人会の集まりで登録を受け付けることを提案した。県連と総領事館で話し合いを進めた結果、今回の宮城県敬老会での出張登録が実現した。
「サンパウロ総領事館での公館投票は、他の公館と比べても断然多い。それを自覚して(在外投票を)サンパウロがリードするくらいの気持ちが必要」と語る中沢宏一県連会長。「日系社会がより元気になり、日伯交流が進むよう、権利を大事に行使してほしい」と呼びかける。
敬老会当日は約二百五十人の参加が見込まれているという。同県人会の鈴木運蔵理事も「今回いい結果が出れば、他の県人会にも波及すると思います」と期待を寄せる。
総領事館では今回の結果次第では、今後も出張登録を実施する意向を示している。日系社会班の沖田豊穂領事は「五十人以上の登録機会がある集まりであれば、事前に連絡をもらえれば対応したい」と語っている。
なお、宮城県敬老会での登録受け付けは午前九時から正午まで行なわれる。
出張登録に関する問合せは総領事館在外選挙班(電話11・3254・0100)まで。