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金融法違反で3500人捜査=シュッシャやロマリオ選手も=FBIの捜査でブラジル人の名浮かぶ

2005年10月4日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】連警は三十日、八州にまたがり延べ三千五百人を対象とした、金融法違反容疑の捜査令状発行を連邦裁判所に申請したことを明らかにした。この中にはテレビ・グローボ局の子供番組で人気を博しているタレントでキャスターのシュッシャや、プロサッカーのロマリオ選手、汚職疑惑で連警の追及を受けているオポチュニティ銀行のダンタス元頭取などが含まれている。いずれも容疑を否認している。
 連警では三年間にわたり六千人を対象に金融法違反、外国不正送金などの外為法違反の容疑で内偵を続けてきた結果、三千五百人を立件できるとして捜査令状発行に踏み切った。それによると一九九九年から二〇〇二年にかけて外国に不正送金されただけでも九億七五〇〇万ドルに上り、個人や企業別にそれぞれ三万ドルから二〇〇〇万ドルに及ぶという。ロマリオ選手の場合は計二〇〇〇万ドルが送金された。
 容疑者はサンパウロ州が二千二百人と最も多く、次いでリオデジャネイロ州が七百二十人、ミナス・ジェライス州が三百人、このほか五州にまたがっている。また公務員が二百人含まれており、公金横領の線からも捜査するという。
 捜査は、FBI(米連邦捜査局)が不正資金操作で摘発し、起訴した金融機関ベーコン・ヒルのモーガン・チェース銀行の口座を開示して捜査した際に六千人のブラジル人顧客の名前が挙がり、米国からの捜査内容の報告書を受け取ったブラジル連警が内偵に乗り出したことで判明したもの。
 これに基づき、二〇〇四年八月に、バネスタード銀行事件で各州で暗躍していた百二十三人が大量検挙され、その後七千人が逮捕された。そのほとんどがいわゆるドル商人と呼ばれる為替業者や旅行代理店経営者で、スキャンダルで一躍名をはせた通称トニーニョ・デ・バルセロナ被告やヨウセフ被告(いずれも有罪判決を受け服役中)が含まれている。また今回の捜査にも全員名前が挙がっており、検挙では追起訴するため取り調べている。
 タレントのシュッシャは弁護士を通じて容疑を否認、確かにニューヨークでの活動による報酬の受け皿として銀行口座はあるが、外国送金や入金はその都度中銀に登録し、認可を受けているとの声明を発表した。