2005年10月4日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二日、三日】裏金スキャンダルからほぼ四カ月が経過し、政府は来年の選挙でルーラ大統領を再選させるべく、政権の強化に取り組み始めた。
ルーラ大統領の尽力で、労働者党(PT)の推薦したレベロ下議(ブラジル共産党=PCdoB)の下院議長就任に成功したことで、カリェイロス上院議長(ブラジル民主運動党=PMDB)に加え、与党議長が仕切ることで政府は両院への影響力を強めた。
さらに大統領は議会運営基盤を強化するため、連立与党のみならず野党への接近も望んでいる。下院第二党PMDBとの関係の安定化や、野党だが下院議長選挙決選投票でレベロ候補に投票した民主運動党(PDT)の抱き込みを政府は画策。議会調査委員会(CPI)の調査に集まる国会の焦点を議会の表決に移すことも狙っている。
レベロ新議長の誕生とCPIの活動が一段落することで、政府は二〇〇六年選挙の態勢固めが可能になったとみる。政府内ではルーラ大統領の再選に異存はない。世論調査で大統領の支持率が低下しているが、最後の調査結果が人気の底打ちで、大統領の人気は回復に向かうとみられている。選挙戦で予想される裏金疑惑に対する批判には、良好な指数を示す経済政策の実績で対抗し、また特にブラジル社会民主党(PSDB)に対しては、九八年選挙で裏帳簿を利用した疑いでアゼレード党首の責任を追及していく考えだ。