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コラム 樹海

 寝業師の異名があった故川島正次郎氏には「政界一寸先は闇」の至言がある。政界と政治家の動きは何時どう変わるのかは誰にも解らないのを―さらりと党人政治家らしく語ったものだが、今の国会風景を揶揄しているかのようにも見える。第三次小泉内閣が発足したが、あの衆院の指名選挙で小泉首相にと投票した衆議には―郵政法案に反対し自民党を離れた無所属議員も多い▼将来は初の女性首相と目された野田聖子さんも、その一人。元郵政大臣であり論客としても堂々の議論をする有望な人。総理総裁候補とされる平沼赳夫氏も、いろいろな事情があったのだろうが民営化には猛烈に反対し、無所属から出馬して衆議となった。政策論に通じる保利耕輔氏も自民を追われるように去り佐賀の選挙区で孤軍奮闘しての無所属での当選▼綿貫民輔元衆院議長と亀井静香氏らの反小泉派は国民新党を旗揚げし徹底抗戦の構えを見せているが、先の人々は小泉氏に一票を投じている。あの自民圧勝で有権者の目指すものが小泉内閣の「郵政民営化」と同じと判断したものらしい。このため小泉首相への投票が「340票」となって―自公の与党327票を13票も上回る結果になった▼まあ―「君子は豹変する」そうだし政治家諸公も、時と場合によっては硬軟を取り混ぜるのも大切なのだろう。庶民の下種で品性のない勘ぐりをすれば「自民復帰を狙った芝居」となるのかも知れないが、ここはそんな野暮なことは云わないで江戸風の粋で参りたい。   (遯)

 05/10/01