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PTから下議4人離党=第一党の座譲る=さらに党員1千人が追随へ=向かう先はPSOLか

2005年9月28日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】下院議長選を二日後に控えた二十六日、労働者党(PT)から党創立者の重鎮エリオ・ビクード氏とプリニオ・A・サンパイオ氏の二人が離党した。それに伴いヴァレンテ下議(SP)、マニニャ下議(DF)、ファンタジニ下議(SP)、アレンカール下議(RJ)の四人が同道した。これで下院における与党PTの議席は八十八から八十四に減少。それに対しブラジル民主運動党(PMDB)は八十七議席を保ち、最大党となった。PTはさらに十五人の州議や市議、党員千人を失う模様だ。
 二十六日はPTにとって暗黒の月曜日となった。PTは下院第一党の地位をPMDBに譲った。党方針を不満として離党する党員の数は一千人に上る。党総裁選挙での主流派の対処に遺憾の意を表明し、下議四人が離党宣言した。さらに離党議員は、続出するものと思われる。
 アレンカール下議はPTを新興宗教だと評した。宗教的性格を持たない自由社会党(PSOL)への移籍が、正解のようだという。同下議はPT中道派のまとめ役で、同下議が行く所へ二百五十人の党員も従う。主流派の振る舞いに、愛想を尽かしたらしい。
 エロイーザ・エレーナ上議のPSOLは、党規忠誠や党方針の服従を強制しないとPT離党者の入党を歓迎している。同上議は同党が、PTの轍を踏まないと宣言した。ブラジルは、正統派の左派新党設立が求められていたという。
 PSOL創立者のエレーナ上議は、二〇〇六年の大統領選に向けチャンス到来と祝杯を挙げた。同党はPT不満派の駆け込み寺だ。党方針は民主精神を尊重し、党員に一切強制しない方針。大統領選準備といっても、位置に着いただけに過ぎず、まだ政治的過渡期にある。
 PT内では、党総裁選挙の結果を待って離党に踏み切るという議員が多い。経済政策や政治方針で執行部との溝が埋まる可能性はほとんどないとみている。〇六年選挙のための党移籍期限は、三十日までとなった。移籍を決める時間は、今週一杯しかない。
 PT主流派を代表し立候補したベルゾイーニ下議は、裏金疑惑に関与した議員を党が処罰しないとの声明を発表した。たとえ司法府の審理で有罪とされても、党は処罰の対象としないという。司法府は法令に照らし、行為の合法性を審理する。党は議員倫理と党精神への忠誠を問うだけだと述べた。
 一方、サンパイオ下議を中心とする社会主義市民運動が立ち上がったようだ。全国でPT党員の集団離党へ、勧誘の指揮を採っている。離党者の大部分はPSOLへ行きそうな気配である。同運動は次に州議や市議、労組、各種団体をターゲットに活動を開始する計画でいる。
 元下議でサンパウロ市の元副市長のビクード氏は、ルーラ大統領の第三回目の内閣改造からPT離党を決意していたという。大統領は閣僚に実力と人徳を備えた人物を据えるべきだが、内閣を政治の道具にしたことで見切ったと語った。離党後、どこへ行くかは未定。