パウリスタ(サンパウロ州民)はどのようにして映画や読書などの文化に触れているのだろう。その疑問は、先頃、文化コンサルタント企業のジョアン・レイヴァ・クウトゥーラ&エスポルテがサンパウロ州民を対象にして行なったアンケートで明らかとなった。
同社は今年の4~5月、サンパウロ州内にある人口10万人以上の21都市で、全7939人を対象にアンケートを行なった。
その結果でまず興味深いのは、Cクラス(ブラジル国民の所得を5段階に分けた際の中流)の大学卒業者と、AもしくはBクラスの富裕層ながらも高校卒業までの学歴の人を比べた場合、「ここ1年の間に図書館にはよく行ったか」との問いに「はい」と答えた人は69%対40%で、前者が圧倒的に多かった。また「映画によく行く」では82%対76%、「博物館によく行く」でも42%対29%で前者が多かったという。
この結果をジョアン・レイヴァ氏は「所得ではなく、教育が文化的生活の質に影響している」と分析している。またレイヴァ氏によると、地元に文化的な催しや建物があると、文化的影響をより強く受けるという。
また、パウリスタの文化的趣味を具体的に見ていくと、もっとも好きな文化的娯楽は「映画」で60%、続いて「祭典(フェスタ)」が47%、「ポップ・ミュージックのコンサート」が46%と続いている。
フェスタで踊るための音楽で「最も好きなジャンル」はセルタネージャが最も多く(19・33%)、フォフォー(14・52%)やテクノ系のダンス・ミュージック(11・23%)が続いた。好きな歌手では「ブラジル音楽界の王」ことロベルト・カルロスが最も多く(3・73%)、人気若手女性セルタネージャ歌手のパウラ・フェルナンデス(3・04%)、セルタネージャの兄弟ドゥプロ、ゼゼ・ディ・カマルゴ&ルシアーノ(2・98%)と続いている。
読書で好きなジャンルは「恋愛小説」が最も多く(21・39%)、宗教書(14・82%)、冒険もの(9・48%)と続いた。
また映画に関しては、「ケーブルTVの映画チャンネルを見ている」と答えた人が35・31%で最も多く、「DVDやブルーレイで見る」が25・16%、「公開チャンネルで見る」が24・81%と多く需要の高さをうかがわせた。
また、「好きな演劇のジャンル」では「喜劇」が60%と多く、「最も重要だと思う文化的催しは」との問いには、サンパウロ市で毎年5月に24時間以上かけて行なうコンサートなどを中心としたイベント「ヴィラーダ・クウツラル」をあげる人が14・41%で多かった。
「自分の文化的な趣味に最も影響を与えた人物は」との問いには16・85%が「両親」と答えており、家庭内教育の文化への影響の大きさもうかがわせている。(7日付フォーリャ紙より)