ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 下院議長席めぐり競争熾烈化=大統領府はレベロ候補支持=野党議長阻止に独自候補断念

下院議長席めぐり競争熾烈化=大統領府はレベロ候補支持=野党議長阻止に独自候補断念

2005年9月24日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】収賄疑惑の責任を取って二十一日に辞職したセヴェリーノ・カヴァウカンチ下院議長の後任選挙をめぐって競争が熾烈化する中、大統領府はアルド・レベロ候補(ブラジル共産党=PC・do・B)を支持することを表明した。
 これにより労働者党(PT)の一部の支持を得て出馬の意向を示していたシナグリア候補は出馬を断念した。またPTの反主流派が対立候補を立てる動きもあったが、不満を表明しながらもこれを見送る態勢に固まりつつある。
 議長選挙は二十七日午後六時で立候補受け付けを締切り、翌二十八日午前に投票が行われる。現五百十三議席のうち二百三十七票を獲得しない場合は決選投票に持ち込まれる。
 現段階の下馬票では、ノノー現副議長(自由前線党=PFL)とテメル・ブラジル民主運動党(PMDB)党首が、決選投票で争うとの見方が強い。これを阻止するため、政府連立与党内から議長職を出したいと熱望している大統領府が動き出した。
 政府はまず、PTから複数の候補者が乱立すれば統制が取れず、いたずらに票が分散するために立候補を取り止めることを前提とした。これは前回二月の議長選挙で党内分裂し、今回辞任したカヴァウカンチ議長が漁夫の利で当選した二の舞を演じるのを避けるためだ。また現在行われているPT総裁選で勢力が分散していることに象徴されるように、党内の統一は困難との見方に立っている。このため、PTの動きを封じるためにレベロ候補支持を前面に打ち出した。
 これに加え、ルーラ大統領は副議長とPMDB党首と確執があり、是非とも議長就任を阻止したい立場にある。ノノー副議長は辞任したカバルカンチ元議長の路線の踏襲を言明しており、元議長とソリが合わず手を焼いてきた大統領としては、その路線を断ち切る必要がある。
 またテメル党首は、PMDB内でも反政府の急先鋒で、先に大統領の組閣人事に反旗を翻したこともあり、大統領は恨み真髄の念を抱いている。両人共に政府の議会運営に立ちはだかるため、何としてでも当選を阻止したいと切望している。
 このほか、シーロ・ノゲイラ(進歩党=PP)やフレウリ・フィリオ(ブラジル労働党=PTB)のほか五人が立候補を表明しているが、いずれも勝算がなく、将来の売名や自党のアピールに役立てるべく、ポーカーゲームの「はったり(ブラク)」との見方が強い。