サンパウロ市内で売られる安価な電化製品やタバコ、酒などはパラグアイのものが多いと聞いていた。
取材を終え、伯パ国境の友情の橋を渡り、フォス・ド・イグアスーから乗ったサンパウロ行きのバス。
小分けした荷物をカーテンの裏などに詰めこみ、上半身裸でビールを飲む男性。「フォスには数十回来てるのよ」という隣に座った中年女性はなんだかソワソワ。
様子がおかしい。そういえば大量に荷物を詰めこんでいたな。ほぼ全員が運び屋の〃密輸〃バスだった。
夜中にバスが止まる。ムックリ起き上がり不安気に待つ乗客たち。外に出た一人が戻ってきて十レアルずつを徴収し始める。聞くと、警察に渡す賄賂だという。
バスがバラ・フンダに着くと大拍手。緊張、不安、安堵を共有できた貴重な一夜だった。(剛)
05/09/23