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マネロン資金でPTを援助=郵便局・裏金CPI=為替業者が証言=選挙資金に700万レアル=PT為替担当、汚いドル集める

2005年9月22日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】為替業者のトニーニョ・ダ・バルセロナことアントニオ・O・クララムントは二十日、PT(労働者党)の為替担当メセル氏から受け取った出所不明の資金二〇五万ドルの代わりに、七〇〇万レアルを二〇〇二年三月にPTとPP(進歩党)の選挙資金としてボヌス・バンヴァル社へ渡したと、ビンゴと郵便局、裏金の合同CPI(議会調査委員会)で供述した。選挙のためアングラ市場ではレアル通貨が枯渇し、ドルとの交換は困難であった。同供述で、同時期にヴァレーリオ氏が銀行融資五〇〇〇万レアルをあっ旋したとするPTの抗弁は崩された。
 PTのマネーロンダリング(資金洗浄=以下マネロン)・システムが、白日の下にさらされることになった。ヴァレーリオ氏が管理するPT裏金システムの為替仲介は、ボヌス・バンヴァル社が扱った。同社扱いの海外違法資金は、PTや連立与党の議員へ配布された。
 為替業者クララムントは、受け取ったドル通貨を海外の口座へ預金し、レアル相当額をボヌス・バンヴァル社の銀行口座へ振り込んだ。銀行間の送金手続きを省き、足跡を消した。クララムントは脱税や麻薬などの違法資金を顧客から受け取り、PTから受け取ったドル相当額を顧客の海外口座に振り込み、マネロン操作を行った。
 段取りは次の通り。国内でソアレスPT財務担当がレアル通貨で必要額をヴァレーリオ氏に知らせる。ヴァレーリオ氏は取引先の国際ルラル銀行に資金用立てを手配する。同ルラル銀傍系でオフショア取引を行うトレードリンクから、クララムントの海外口座へPT要請の必要額を振り込む。
 連絡を受けたブラジルのクララムントは、自社のバルセロナトゥールからボヌス・バンヴァル社へのレアル通貨入金をメセル氏に報告。ボヌス・バンヴァル社はヴァレーリオ氏の指示に従い、PTやPP議員にレアル通貨を配布する。
 クララムントが海外で受け取ったドル通貨は、ヴァレーリオ氏が同じく海外でかき集めたブラックマネーである。業界では「温める」という。メセル氏は、海外の汚いドルを集めるPTの汚れ役を担っている。発覚すると、十年の禁固となる刑事犯罪である。汚いドルは、スペインだけで一〇〇億ドルもある。
 ジルセウ前官房長官はボヌス・バンヴァル社の経営者と親しく、汚いドルのことを良く知っている。マネロン・ネットも知っている。政治資金の捻出法をここから考案したらしい。
 クララムントは、米国とスイス、ウルグアイに乗合バス口座を持っている。ウルグアイだけでビーコン・ヒル銀行とMTB銀行、パイン銀行、商業銀行、レスパン銀行などのマネロン・ネットを持っている。オフショア操作は英領ヴァージン諸島で行っている。
 為替業者クララムントのCPI証言で、メイレーレス中央銀行総裁が俎上に上がりそうだ。中銀総裁は、不正送金をした五万ドルをブラジルへ返還した。総裁には取るに足らない端下金だが、国民には大金である。総裁は為替業者を使わなくても、独自の違法送金ルートを持っているらしい。