2005年9月22日(木)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十一日】携帯電話会社各社が対策に力を入れているにもかかわらず、携帯電話のクローン(複製)が急増していることが、電信庁(Anatel)の報告で明らかとなった。
今年一月から八月までに携帯電話の複製に対する苦情は、昨年同期四千六百九十四件から七千三百八十件へと五七%増加した。携帯電話数は昨年十二月と比べ二〇%増加、二〇〇三年の苦情件数は六百三件だったことから、同庁はクローン電話の急増を懸念している。書類の偽造、盗難、電話会社職員による個人情報の悪用も含めると、携帯電話をめぐる違法行為は約十万件に達するという。
電話会社別の苦情件数を見ると、最も多いのはVivoで、今年だけで四千六十七件うちサンパウロ州は二千五十七件を占めた。以下Claro(千二百九十三件)、Telemig Celular(千八十八件)が続いた。
クローン電話は登録コードなど携帯電話の情報が通話を通じて盗まれることによって作られ、ローミングという、元にある電波の使用範囲を超えてアナログシステムを利用する際に情報を盗まれることが多い。また電話機に搭載するチップの複製による被害も報告されている。デジタル通信ではクローンが難しいため、同庁と電話会社各社は電波のデジタルへの切り替えを推進している。
一度クローンが作られると、その通話料金は元の電話の所有者の負担となるため、利用者側にも電話料金の確認や、ローミングの使用を減らすなどの注意が必要。Anatelはサイト(www.anatel.gov.br)で予防策や被害に遭った後の対応を紹介している。