アグリビジネス

2005年9月21日(水)

 有機農業の生産物は一部消費者の物好きと見られていたが、最近一般消費者にも定着しつつあるようだ。見かけが悪く形は不恰好で、値段は高いと来るが、農薬禍と化学肥料が人体に与える影響を一般消費者も認識し始めた。環境省と農地改革省、農務省は、共同で有機栽培の生産物食用奨励週間を設けた。十七州の州政府は十六日、有機農産物のゼミとグルメ・キャンペーンを行った。有機農産物の消費は農薬禍から解放されるだけでなく、環境保全と生態系保護、小農業生産者の育成に貢献し、栄養も富むといわれる。
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 ブラジルの牛肉輸出が二〇〇四年九月から〇五年八月までの過去十二カ月間で三一億五〇〇万ドルに達し、過去最高となった。前年同月比三四・八%増の成果だ。これは、アルゼンチンとオーストラリアを合わせた数量を凌駕する。オーストラリアは年間一三〇万トンの屠体を輸出、アルゼンチンは七〇万トン、ブラジルが二〇〇万トンとなっている。オーストラリアは過去三年間降雨が少なく、牛の頭数も減っている。ブラジルの牛肉輸入国として最近、ロシア、続いてエジプト市場が注目されている。新しくアルジェリアもブラジルの牛肉を輸入し始めた。最近産油国が原油の高騰で好景気なので、イランも輸入する見込みだ。
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 他人の不幸を喜べないが、ハリケーン・カトリーナの影響で穀物市場に異変が起きている。米国の穀倉地帯であるミシシッピー川流域が被害を受けた。同地域の穀物生産者は原油高騰のため燃料と化学肥料が高騰、そしてハリケーンと三重苦に悩まされている。水害で水浸しになった穀物は品質が劣化し売れない。辛うじて助かったアーカンサス州の穀類が、カトリーナのお陰で跳ね上がった。一方、ミシシッピー川は堤防決壊で水位が下がり、航行不可となっている。