2005年9月16日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】商取引の簡易性、いわゆる商売がスムースに出来る度合いで、ブラジルは今年度世界第百十九位に位置づけされた。世銀が例年あらゆる観点から分析して世界ランキング・ドゥーイング・ビジネスとして発表するもので、今年は百五十五カ国が対象となった。昨年は百三十五ヵ国中九十六位だったことからランクを下げたことになる。
今年は税制、国際取引、商標登録の三点が分析に加えられ、いずれも官僚主義の強いブラジルにはマイナス要素となったことがランク下降の原因となった。とくに昨年末にGDP(国内総生産)成長の第一要因となった輸出産業も世界で百七番目の評価となった。
ブラジルで輸出する場合、保税倉庫から船積まで平均三十九日間を要し、七種類の書類に八個所の署名が必要だ。デンマークでは三日間で二種類の書類に署名はわずか一つとなっている。チリでは二十三日間で六書類と七署名で、中南米では輸出手続に時間がかかることが指摘された。逆に倒産法が国会で成立したことで会社閉鎖がこれまでの十年から五年に短縮されるのが明るい材料で、来年のランクアップにつながるとみられている。
ランキングのトップテンは、ニュージーランド、シンガポール、米国、カナダ、ノルウェー、オーストラリア、香港/中国、デンマーク、英国、日本の順となった。ブラジルは発展途上国のナイジェリア、アルバニア、スリランカに遅れを取った。中南米ではチリ(二十五位)、コロンビア(六十六位)、ペルー(七十一位)アルゼンチン(七十七位)がブラジルを上回った。最下位グループはニジェル、スーダン、シャテ、中央アフリカ、ブルキナ、ファッソ、コンゴだった。項目別でブラジルが顔を出したのが、起業時の手続きの煩雑さ(四位)、承認のスピード(六位)、解雇の際の費用(四位)、税金の高率(三位)、倒産による会社の閉鎖に要する期間(三位)などだった。