2005年9月16日(金)
国連の調査によると世界の人口の三分の一は家なし、あるいはファベーラのような生活条件の整っていないバラックに住んでいる。ブラジルでは三千三百九十万人が該当する。貧困層が簡単に購入できるマイホームの数が圧倒的に少なく、手造りのバラック住まいとなる。リオデジャネイロ市ではバラックでも条件の良いところでは五〇〇〇から八〇〇〇レアルで取引きされている。リオ市の幹線道路ブラジル大通り脇に住む一家は同通りが完成した一九四六年以降住みついており、現在家族十五人がトイレ、寝室、ダイニング、台所の間取りで寝泊りしている。将来の夢は毎日二十五万台が目の前を通過する車の住家を後にして閑静な場所に移転することだという。
◎
全国二大労組の一つフォルサ・シンジカルは、サンパウロ市七カ所にある職業斡旋所を閉鎖することを決めた。労働省が予算カットに伴い三カ月前から経費の支払いをストップしたことで、四百二十人の職員の給料や電気、水道代が滞納している。斡旋所では毎日七千人が詰めかけ、過去七年間で一千百六十万人に職業を紹介してきた。いっぽうで最大労組のCUTも同様の状態で、来月から閉鎖する意向を明らかにしている。こちらは一日平均一千六百人が職を求めて詰めかけており、昨年一年間で二万人が職にありついたという。労働省筋によると、予算配分停止は斡旋所内で資金の不正横流しの疑いがあるためで、労組側はこれを否定している。
◎
リオ州軍警はコパカバーナ海岸での観光客襲撃事件が急増していることを受け、今年の海水浴シーズンに万全を期すため一足早い取締りおよび防犯作戦を開始。八百人の軍警を海岸地帯に常時配置する。そもそものきっかけは十一日(日)午後の気温が三十五度を超えたことで海水浴場が人で溢れたのを狙い、少年を主体とする強盗グループが出現、二大グループが縄張り争いで大乱闘を演じたため。これらは少数で悪事を働いていたのが昨年から大グループに編成され、海岸地帯を集団で荒らし回っていた。軍警ではこれらグループの検挙を至上命令として警戒することになった。