2005年9月14日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】経営危機に陥るという難局の打開策を模索し続けてきたヴァリグ航空が、刷新した経営陣をもとに新経営プランをリオ司法局に提出した。同局は従業員の社会福祉年金の積立滞納や諸税の未納など総額六〇億レアルの最大債権者となっており、同航空の管財人的立場にある。新プランは債務を一掃し、営業を継続することに重点を置いている。
リオ司法局も同航空を「国の資産」と位置づけ、全面的に支援するとの方向性を示した。これにより一時はヴァリグ航空のドル箱となり、花形路線と呼ばれた日本行き太平洋路線の復活を期待する向きも少ない。
再建プランは人員整理による経費削減を主眼としている。ヴァリグ航空では取りあえず一千五百人の人員整理を行うとともに、グループ(ヴァリグ、リオ・スル、ノルデステ)全体で一万二千人の従業員を年末までに一三%削減するとしている。これにともない航空路線の発着を含む業務をサンパウロ市クンビッカ空港に集約する。
経営刷新については現在の体制を二分し、債務を処理する「旧ヴァリグ」と営業を推進する「新ヴァリグ」とする。「旧ヴァリグ」は諸税など公共債務を年末までに整理する。これにはこれまで株式の八七%を保有し、経営権を握っていたルーベン・ベルタ財団が責任をもって処理に当たる。この資金には同財団の保有する株式と資産を「新ヴァリグ」に売却して工面する。
「新ヴァリグ」は買い取った株式を新しい株主に入札方式で公募して正に「新生ヴァリグ」としてスタートさせる。これにともない一億レアルの営業赤字として残った債務(航空機リージング、空港使用料、燃料、修繕費用)は向こう二十四回均等分割払いとして処理する。これらの債権者は現在二千社以上になっているが、二十四カ月後には百社に絞り込む。
就航路線は赤字ならびに競合の激しい所は廃止し、収益性の高い海外路線を見直すとしている。このため年内はブレークイーブン(収支がトントン)で推移すると見積っている。
再建プランは今月二十四日に開かれる債権者会議で発表され、債権者は三十日以内に賛否を表明することになる。承認された場合、債権者からの再建代表を含む推進委員会が六十日以内に最終実行プランを発表する。