2005年9月13日(火)
【既報関連】日伯学園構想を練る宮尾進氏の私的なグループと、高校棟増築計画が移民百周年記念事業に承認されているアルモニア学園が「一緒にやっていく」ことを八日決定。九日午後、百年祭事務局で記者会見を開き、正式に発表した。
この動きをコーディネートした祭典協会の大浦文雄総務副委員長は「二つとも考え方はとても類似しており、一緒にできないかと思った」と動機を説明する。すでに両代表が集まって二回の会合をしており、今後は合同で準備委員会(十人程度)を組織し、本格的な検討に入る予定だ。
宮尾グループの鈴木正威氏は「我々の構想とアルモニアは合致する。これからアルモニアの内容の拡充強化に積極的に参加する」と述べた。宮尾氏も「内容的に重なるものがある。アルモニアを活かしていける」と意気込みを語った。同校はブラジル力行会が中心になって作った学生寮が前身なっており、「個人の学校というより団体性が強い」ため協力が可能ではないかという。
記念事業としてすでに承認されているプランとの関連を問うと、大浦副委員長は「中身を変えるのでなく足す」と答えた。「細部は、これから具体的に煮詰めていく」。
同校はサンパウロ市近郊のサンベルナルド・ド・カンポ市に九二年に創立され、幼稚部から高校部まで計三百五十一人が学んでいる。日系子弟は三割ほどだが、日本語を必修科目に加え、週二回一時間ずつ、中学生までの全員に教えている。その他、柔道、碁、和太鼓など特色のある教育を行っている。
日伯学園とはなにか―。今まで何度も浮沈を繰り返してきたこの構想は、「なぜ必要か」に関しては深く議論されてきたが、「なにが日伯学園か」はあまり語られてこなかった。今後は、アルモニアという器に、どんな内容の〃日伯学園〃教育を盛るのかが議論される。それに伴い、施設拡張などの変更も予想されている。
大浦副委員長は十二日晩訪日の途につき、日本の関係諸団体や政治家筋を訪ね、その旨説明する予定。