2005年9月9日(金)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙八日】下院食堂の前支配人が七日、野党議員にカヴァウカンチ下院議長へのリベート供与を告発し、同議長が署名した入札抜き契約書更新や証拠ファイルを提示した。米国を外遊中の同議長は、三か条の弁明を発表。第一は同議長が署名し違法に契約を更新した事実を否定。第二、署名は異常がなかったから。第三、責任は告発者にあるという。更新契約書はねつ造の疑いもあり、契約書原本を見る必要があるという。食堂経営者のブアニ氏は八日、連警で事情聴取を行った。同経営者の弁護士は、事実の供述を同氏に要求した。
下院食堂の経営者ブアニ氏は、下院議長へのリベート支払いの有無で交互していたが、連警では白状を余儀なくされそうだ。下院食堂の営業契約を入札抜きで更新してもらうため、リベートの支払いを恐喝された犠牲者なのか、何もなかったことで無事営業を継続させてもらうのかの岐路にある。
ブアニ氏の弁護士は、事実の供述を要求した。すでに一部を漏らしており、今さら前言を打ち消すのは無理があると弁護士はいう。弁護士の話では、ブアニ氏は多数の脅迫とも説得ともつかぬ電話を受けて悩んでいるようだ。ケンカで勝って商売で負けるかの苦しい選択を迫られている。
週刊誌にスッパ抜かれた先週のリベート供与報道が掲載された時点で、ブアニ氏は下院議長と会って事態の善後策を打ち合わせなかったのか、弁護士の説明がなく言及もない。ただブアニ氏は、黙秘の一点張りだと弁護士はいう。
ブアニ氏は自宅にこもり、一切の来客を拒んでいる。ブアニ氏に対する連警の召喚を同氏は拒めないし、供述内容に下院議長の首がかかっている。野党議員に告発した前支配人シウヴァ氏は連警の召喚はまだないが、ブアニ氏の召喚に先立ち、供述内容を打ち合わせたいと言っている。
前支配人らとブアニ氏の発言が矛盾することで弁護士は、リベートの支払い方法を巡って報道陣や野党の質問が紛らしかったと弁明した。リベート要求と恐喝は全く異なる。弁護士はリベートの支払い方法で逃げ道を模索するらしい。
連警は最高裁へ、ブアニ氏による下院議長に対する恐喝容疑の捜査許可を申請していた。しかし、雲行きが変わり始めた。当初は下院議長の特権により、犠牲者扱いとされ捜査対象とはされなかった。その後、入札抜き違法更新契約書の存在が浮上し、犠牲者は被疑者へと急変した。
さらに二〇〇二年から〇三年に食堂支配人を務めたカルヴァーリョ氏が、下院議長が第一書記であった当時、リベートを封筒に入れて渡したことを連警で供述した。リベートが入った封筒はブアニ氏が用意し、従業員四人で議長秘書のガブリエラ氏に渡したという。
元支配人は経営難にある食堂の経済事情を考慮し、リベートの分割払いを議長側近のアウブケルケ氏に相談した。同側近は分割払いの容認は認めたが、リベート受領は否定した。元支配人は弁護士を同行し、事実の証言者であって、告発者でも被疑者でもないと記者団に声明を発表した。