2005年9月9日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙八月十五日】リオ州ピライ市で幼稚園児に英語を教えるユニークな授業が始まり、情報反乱時代に適応した。時代を先取りした画期的な教育として注目されている。試験的に公立メンドンサ幼稚舎の五歳から八歳までの二百二十人の生徒を対象に始まったが、近い将来に公立校二十校の幼稚舎および小学校の生徒六千三百五十人全員に浸透させる意向だ。ピライ市は人口二万二千人のリオ市のベッドタウンだが市当局の教育に対する姿勢が確立しており、二十校の私立小学校のうち十八校がIT設備が整い、教師はコンピューター技術の訓練を受けて授業に取り入れている。この市当局の真摯な市政がアメリカのNGO(非政府団体)の教育団体の目にかない、資金援助と人員派遣および教育資材提供を含む支援となって今回の試験的教育が実現した。このNGOはニューヨーク市で四校、マイアミ市で二校で同じ試みを実行、移民や外国人子弟の英語教育を行っている。ピライ市には同NGOから六人の米国人教師が来伯し、同校の教師陣のトレーニングを指導している。
同市では英語の選択授業はこれまで小学五年生からとなっており、多数の生徒はそれ以前に英語塾に通うが月謝が月六〇レアルから一〇〇レアルのため、市立校の生徒の家庭では余裕がなかった。このため今回の英語授業の採択は父兄にとって降って湧いたような朗報で手放しで喜んでいる。父兄らは「これからの時代には英語理解が不可決、子供らの就職にも大きいメリットが出るので、有難い事です」と喜びを隠せないでいる。
いっぽうで母国語であるポルトガル語を習得する傍らでの英語学習は子供らに負担が大きいのではと心配する向きがあるが、同校の教師らはこれを否定する。俗に云う子供らの脳は柔らかく吸収能力があるという。発言は出来なくても例えば「ルックマトミー」(私を見なさい)は全員が理解して一斉に見るとのこと。教師らは通常の学校で取り入れている授業は試験のための詰め込み学習だが、子供らの英語は、なれ親しんで体に浸み混ませるのが目的のため将来的に異質なものになると言及している。