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8月はデフレで推移=物価上昇予想を下方修正

2005年9月7日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】サンパウロ州経済調査院の消費者物価指数(IPC・FIPE)が八月度〇・二〇%のデフレとなったことで関係者に驚きをもって迎えられた。七月度はインフレ〇・三〇%を記録したため同院では八月度は〇・四〇%のインフレを予測していたにもかかわらず予想に反してデフレとなった。これにより六月から八月までの三カ月間の累計は〇・一一%のデフレを記録した。このため同院の試算では今年の同指数は当初の五%から四・五%に下方修正の可能性が濃厚になったと見ている。こうなると二〇〇〇年の四・三八%に次ぐ低水準となる。これにともない各金融筋でも今年のインフレを四・五%とはじき出し始めた。
 ただし今後の動向は、ガソリンの燃料価格と相変わらず継続しているドル安の二つの不透明な要素の如何にかかっていると指摘する。とくに高騰を続けている国際原油相場のあおりで石油公社(ペトロブラス)がいつ燃料価格を引き上げるかが鍵となっておりインフレ予測は困難だと指摘する向きもある。
 八月度の生計費に占めるインフレ率は、住宅費(家賃)が〇・一二%、食料費がマイナス一・二一%、交通費〇・五%、個人必要経費マイナス〇・九六%、健康衛生費〇・九五%、衣料費マイナス〇・一七%、教育費〇・〇三%となり、食料品価格の値下げがデフレの要因となった。なかでも値下げが顕著だったのは、ジャガイモが一二・七八%、旅行(観光ツアー)一二・五七%、ミルク四・六四%、フランスパン二・〇七%、電気料金一・三二%とそれぞれマイナスとなった。逆に値上げしたのが固定電話代五・一九%、中古車五・一九%、医療保険一・七三%、車の修繕費一・三二%、家賃〇・二六%だった。
 調査院では九月度の指数は反転して〇・二五%のインフレを予測している。このうち〇・一〇%は医療保険の値上がりに起因し、〇・〇五%は上下水道料金が九%の値上げとなったことで、指数に〇・〇五%反映すると見ている。
 いっぽうで今年一月から八月までの累計ではインフレ二・八二%を記録しており、当初の目標の五%を達成するには九月以降十二月まで残すところ二・一八%となる。これは月平均〇・五四%となり、前出の九月予想(〇・二五%)の倍以上となる。さらに最低〇・二〇%で推移しても月平均〇・三五%の〝余り〟が出る勘定となる。これにより当初目標の達成はおろか下方修正への根拠となっている所似だ。政府がインフレ算出の基としている国家地理統計院(IBGE)の広範囲消費者物価指数(IPCA)の八月度はほぼゼロに近い数字になると見られている。