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下院議長の一時休職要請=野党=収賄の疑いあり=下院食堂営業許可で口利き=約3年間、毎月1万レアルを

2005年9月6日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙五日】野党自由前線党(PFL)とブラジル社会民主党(PSDB)、社会大衆党(PPS)、緑の党(PV)の五党と労働者党(PT)左派は五日、下院食堂の営業許可にカヴァウカンチ下院議長が不正に関与したとして、事実解明のため一時休職を要請した。下院議長に対する告発によれば、食堂経営者から営業許可継続のために毎月一万レアルの謝礼を受け取っていたという。下院議長が休職を拒否するなら、野党五党は下院倫理審議会へ議長の倫理抵触を提議するとしている。
 野党五党の矛先が下院議長へ向けられた。野党による同議長の休職要請は、リベート受領の事実解明までとされる。同議長が休職を拒否するなら、野党は事実解明の署名運動を起こし、下院議長に対する倫理抵触の動議提出を行う。事実上の不信任案だ。
 倫理抵触の動議は下院議長の職務に対してではなく、カヴァウカンチ下議に対してであり、議員権はく奪の対象となる。もし同下議の議員権はく奪が決議された場合、自動的に下院議長からも解任される。
 下院食堂フィオレーラの経営者セバスチアン・A・ブアニ氏の供述によれば、下院議長がまだ下院第一書記として事務管理の責任者であった二〇〇二年、まず四万レアルで〇五年まで営業許可を自動更新することになった。その後毎月一万レアルを〇三年十二月まで払った。〇四年は、一万一五〇〇レアルに値上げされた。
 下院議長が倫理審議会から議員権はく奪対象とされた下議十八人に対し、穏便な措置を要請した裏には、自分にやましいところがあったからだと野党はいう。旧体制の人間は改革を唱える新時代の人間を排斥する習性があり、下院議長はその代表的人物であると野党が評価した。
 カヴァウカンチ下院議長は、やましいところは一切ないとして下院執行部に事実調査を命じた。同議長の要請で会計検査院(TCU)と下院監査部、バストス法相も、議員食堂の営業許可に関する契約書の検閲に応じた。
 下院事務局の話では、食堂経営者ブアニ氏が家賃一五万レアルを滞納した。家賃決済のために営業契約を自動的に更新し、同経営者を退去処分にしないよう圧力ともお願いともつかぬ言い方をしたという。
 経営者ブアニ氏は記者らに、下院議長へリベートを払う羽目に至った証拠と証人を紹介する用意があると言明した。同経営者の弁護士は下院事務局が三月、水道、電気代として二〇〇〇レアル、家賃三万レアル、リベート一万一五〇〇レアルを請求したと述べた。
 同経営者が下院議長に泣きついたところ、対応できる分割払い条件を提示するよう要求したという。同経営者が条件提示した二十日後、滞納分は諸経費を含め一五万レアルに膨れ上がり、一括払いか退去かの最後通告を受けた。
 下院食堂の営業契約期間は一年で、三カ月間の猶予がある。その猶予が九月十四日で満期になる。同経営者は滞納債務から三万レアルを特別控除され十二日、残金一括決済で事務局法務部と話がついた。ところが食堂の責任者が不正を暴露した。

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