あ、もしかして、と思い出したのが、大リーグで活躍中の野茂とイチローのことだった。
前者はトルネード(竜巻)投法、後者は振り子打法。個性的なフォームを駆使して、本場のプレイヤーに伍している。
イビラプエラ公園の野外コンサート(四日)に出演したバイオリニスト、五嶋みどりさんの演奏姿勢も独特だ。その小さな体でバイオリンを包み込む、そんな感じ。
演目はブルッフの有名な協奏曲。この手の世界は門外漢だが、ゾクゾクして涙が。さらに、感心させられたのは野球選手で言えば前述の二人のような、恐らくは型破りであろうフォームだ。
西欧古典音楽の分厚い歴史と伝統に体一つで挑む、孤高の日本人女性の姿を目の当たりにした。
現在三十三歳。十一歳で世界の桧舞台に立ち、一流と呼ばれて久しい。サンパウロで聴けた僥倖を喜んでいる。 (大)
05/09/06