その昔には「朝日文化人」と呼ばれるのが、ある種の名誉とされたものだが、近ごろの朝日新聞はどうもおかしい。今年2月のNHKに対して安倍晋三、中川昭両衆議が圧力をかけたの記事も反論があるし,訂正を求める声も強い。問題となったあの記事を書いたという記者が革新系と批判する月刊誌も多く、NHKも「報道は真実ではない」と朝日新聞を非難してもいる▼それでも朝日新聞は突っぱねるような態度をとり執筆に到る経緯を特集で報道してもいるが、読者や関係者を納得させるまでには到っていない。その後、この記事に関連した社内の報道資料が外部に流出して「月刊現代」に掲載され話題になったりと、マスコミとしての「けじめ」がきちんとしていない。そこへ今度は長野総局の西山卓記者が、虚偽メモを東京本社に送り誤報の大恥辱を演じてしまった▼田中康夫知事を取材していないのに、直接会って話しを聞いたようにして「メモ」を書き本社にメールで送ったというだから、これはもう記者失格である。日本新党を旗揚げするなど話題の長野県知事が、反郵政民営化論の亀井静香衆議と会談したの内容だから誰しもが飛びつく。確かに二人は会っているのだが、それは東京なのに、西山記者は「長野で会談」とインチキを記しているし、会談内容もまったく違っていたそうだ▼さすがの朝日新聞もこれには参ったに違いない。東京本社の木村伊量編集局長を更迭。確か―。西山卓記者は懲戒解雇という厳しい処分に踏み切った。 (遯)
05/09/06