2005年9月3日(土)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二日】マラニョン州沿岸サンジョゼ湾で一日未明、漁船が舷側に高波を受け転覆、乗客約三十人が海に投げ出され、九人が死亡、三人が行方不明となった。一日もダイバーらが行方不明者の捜索を続けている。
同州港湾局によると、全長七・八メートルの漁船は定員二人で、乗客の輸送は許可されていなかった。乗客はポルトガル民族舞踊グループの若者らとその家族で、近隣の町で公園を行った帰途に事故に遭った。牲者の中には一歳と四歳の女児二人、十二歳の男児、青年二人がおり、息子二人と孫二人を亡くし、夫が行方不明のままの女性もいる。
漁船は一日午前二時半ごろにイカトゥ市の港を出航、同じく約三十人を乗せた、もう一隻の漁船とともに、約十キロ先のサンジョゼ・デ・リバマール市の港へ向かった。海上は波が高く荒れており、二隻は超満員状態だった。午前四時半ごろ、沖合八キロほどの地点で一隻が転覆、満員状態のもう一隻は海上の人たちを救出できず、目的地で乗客を降ろした後、再び現場に向かった。生存者は同湾の他の漁船に救出された。
遭難者によると、救命ジャケットもなく海に放り出された人らは、発泡スチロールの箱や転覆した船につかまって救出を待ち、溺れている人をなすすべもなく見守るしかなかったという。船長は事故直後に現場から逃亡、身元はまだ確認されていない。